ほとんど半径10km円の中

平塚、大磯界隈をe-bikeで鳥撮している高齢者のブログ

2024年6月の読書記録

 晴れた日は鳥見、雨の日は読書(晴鳥雨読)と行きたいところですが、神奈川県民なのですが都知事選が気になって気になって(笑)。弟家族には石丸さんへの投票を託しました!

 と言う事で、5月は前半に堅い本2冊を消化するのに苦しみました💦💦。その後はサクサク読める小説3冊で5冊を読了です。

33) 大磯随想・世界と日本 吉田 茂

34) ダーウィンの進化論 千葉 聡

35) 悪人 上 吉田 修一

36) デルタの羊 塩田 武士

37) 琥珀の夢 上 伊集院 静

 

 「大磯随想・世界と日本」、吉田茂さんが政界を引退されて書かれたエッセイなのかと軽い気持ちで読み始めたのですが、如何に自分が日本の近代史に関して無知であったかを知るにつけ、終戦からアメリカの占領下、僅か6年で日本を独立に導いた時の内閣総理大臣吉田茂が日本の再興に向けて腐心したかを知る本となりました。

 自衛隊日本国憲法のあり方に関しては今も議論され続ける大きな問題ではありますが、敗戦後、一刻も日本の経済を立て直すことを最優先とし、防衛に関してはアメリカの庇護の下、経済復興にフルスイングしたことは間違いではなかったのではと思います。と言う事で、吉田茂著書「日本を決定した百年」と言う文庫本も購入。7月の読書計画の中の一冊です。

 「ダーウィンの呪い」、この本を購入(今年の3月に購入していました)してから読了するまで一体、どれだけの時間を要した事か💦💦。

 進化論、進化は進歩そして適者生存は進歩の結果と曲解されることで生じる様々な社会現象に関して記述されています。(社会ダーウィニズムと言うことばあるそうですね)

 ダーウィンが唱える進化とは時に退化する事で環境に適合する事であり、進化のベクトルに方向性は無いと言っています。

 しかし、進化のベクトルは進歩であると唱える学者たちが、統計学を駆使(その結果統計と言う学問は大きく発展はしたのですが)し、自分たちの学説に都合の良いデータに仕立て上げる事により、優生学を正当化するようになってしまったと言う事が大きな呪いであると著者は言っています。ヒトラーユダヤ人を大量虐殺すると言う近代における最悪のホロコースト優生学ヒトラーが信奉したからであり、二度とそのような事が起きないよう人類はその事を心に刻んだやに見えますが・・・・。

 現在の科学の進歩により遺伝子レベルで生まれてくる子供に重篤な疾患がないかを検査すること、さらには遺伝子操作によって重篤な疾病を引きおこす遺伝子を取り除こうと言う試みは、優勢思想では無いかと著者は警鐘を鳴らしています。

 あらゆる生物が進化するプロセスはとても複雑で、全てが解明されていません。遺伝子レベルで重篤な疾病を抱えたまま生まれる子供も、進化のプロセスの途上にいるとしたら科学の力によって我々が進化を途絶えさせてしまうことではないかと著者は言っているように思います。

 堅い本2冊を読了するためにヒーヒー言いながら読書に時間を費やしたので(笑)、その後はサクッと読めそうな本を3冊。

 「悪人 上」、吉田修一と言う作家の本を読んだことが無くタイトルにも惹かれて図書館で借りてきました。下巻をこれから読むので感想はまた変わるのかもしれませんが、一気に物語に引き込まれます。現代のようにマッチングアプリの無い時代ではありますが、出会い系で知り合った土木作業員の若者が、専門学校を出たばかりの二十歳そこそこの女性銀行員を殺害してしまう。殺害された女性銀行員、実は今でいうパパ活をしていることが表沙汰になり、被害者なのに理容院を営む両親は娘を失ったにもかかわらず、世間から大バッシングを受けることに。土木作業員、祐一は逃避行を続けながら、またも出会い系を利用して光代と出会います。光代は祐一が殺人を犯したことを承知の上で二人で逃げるのですが・・・・。ドロドロの人間模様などと言う言葉で括って良いものでは無いのでしょうが、心揺さぶられる作品です。

 「デルタの羊」、この作品はアニメたーたちの世界が描かれています。アニメ好きな方には作り手たちの世界が描かれており興味深く読めるのかもしれません。高齢者のオジサンにはちょっと、ヒットしませんでした💦💦。

 「琥珀の夢 上」、サントリー創始者である鳥井新治郎の半生が書かれた本です。伊集院静さんの著書を一冊も読んだこともなく、企業ものの大好きな私としては、新治郎が生きていた明治と言う時代の力強さも伝わり、とてもワクワクしながら楽しめた本です。本日、早速下巻も借りてきましたので続きを読むのが楽しみです。そして、またも触手が伸びて、山口瞳開高健の作家が書いた「幻のサントリーの社史」と言われた「やってみなはれ みとくんなはれ」をアマゾンでポチっとしちゃいました。