還暦の向こう側の住人

平塚、大磯を散歩しているオヤジのブログです

読書記録 2024年2月

 菜種梅雨と言うのでしょうか、氷雨と言うのでしょうか雨の日が続きますね。「晴耕雨読」ならぬ晴れた日は野鳥観察、雨の日は読書。「晴鳥雨読」(笑)な日々を母の介護の合間に送っております。

 2月も終盤に差し掛かり、あと1冊くらいは読めそうですが1月に引き続き、去年とは打って変わって読書量はいい感じです(^^♪

 全17巻、北方健三さんの「チンギス紀」すでに9巻目、日輪を読み始めていますが(実は2月末に読了しました!と言う事で今月は9冊読了です)13歳で登場した、主人公テムジンはすでに40歳を超えモンゴル族統一まであと少し。一巻300ページを少し超えるボリュームですが、読み始めると3日程度で一巻を読了するペース。今朝は草原を馬に乗って走っている夢を見る程、夢中で読んでいます。

 チンギス紀以外で読んだ本は潜入するノンフィクションライター、横田増男さんの2冊。「アマゾン帝国の闇」と「ユニクロ潜入一年」。

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 ノンフィクションライターの横田さんを知ったのは上述のYou Tube。欧米ではテレビ局はじめ大手メディアが企業に潜入して企業内に常態化している不正の数々に対して警鐘を鳴らしています。しかし、日本では大物スポンサーとなり得る為か、メディア側が忖度していると言わざるを得ない状況。そして、当然、横田さんの著書を知る事はなかなか出来ません。

 便利だと言う事でネットでポチっとアマゾンで買い物をして、リーズナブルだからと言ってユニクロの服を着ている私にとって、アマゾンの物流センターやユニクロの売り場で最下層のポジションで会社を支えているアルバイトとして潜入する横田さんが、同じ職場の人達がどんな待遇で働かされ、搾取されているのかを綴られます。更に海外の大学を卒業されている横田さんは、アメリカ、ヨーロッパあるいは中国などなど裏取りの取材もしっかりとされていらっしゃいます。短絡的な物言いかとは思いますが大金持ちであるジェフ・ベゾス柳井正に社会貢献などと言う言葉は無いのでしょうね。

 最後に本日読了した本が「ネット右翼になった父」です。

 著者の鈴木大介さんはルポライター。タイトルのネット右翼などと言う言葉から想像するに、イデオロギーに関する本かと思いきや、70代でがんで亡くなった父がネット右翼になってしまった!と思い込み父の死後、その足跡を2年以上かけて辿り、ようやくその実像に出会えたと言う家族の物語です。
 作者と同じ50代の方はご両親のイデオロギーがどのように形成されてきたのか?また最近、ネットの影響を受けて右傾化していないのか?その実情を知った方が良いかもしれません。
 各世代によって形成される価値観は異なりますが、還暦を越えた私のような世代の子供の頃は、差別用語が何の躊躇も無く、そして大きな蔑みの意図も無く使われていました。今日の多様化する価値観の中で、私のような年代の者が老いているが故、今の価値観にアップデート出来るのかと問われているようにも思える本でした。