何となくタイトルに惹かれて「昨日のカレー、明日のパン」を読んでみました。
「ギフ」と「アツコ」さんを取り巻くハートウォーミングな短編集です。「ギフ」とは「アツコ」さんのご主人のお父さん。ただ、「アツコ」さんは未亡人なんです。
各短編が他の短編の伏線となっており、本を読み進めるうちに「ギフ」や「アツコ」さんの今がどのようにして今となっているのかが分かってきます。
最後に本のタイトル、「昨日のカレー、明日のパン」の話でこの本は終わるわけですが、時間がどーんと遡って、「テツコ」さんの亡き夫、一樹の若かりし頃の話です。雨がやんで晴れた空に虹がかかったような気分になりました。
面白い本を書く作者だなあと思い木皿泉なる著者は何者?と調べるとご夫婦の脚本家。
ならば、もう一冊読んでみようという事で図書館で借りた本が「カゲロボ」です。
こちらも短編集。読み進めるうちに各短編が微妙な感じで絡んでいるような・・・。テーストがSFっぽいので「昨日のカレー・・・・」とはかなり趣が変わるし、多感な中学生、いじめる子といじめられる子そして自殺と社会問題も含まれています。
「カゲロボ」というロボット2体?(本の表紙にヒントがあると思います)に実は見守られていたと言うオチはある意味ハッピーエンドなんでしょうね。ほんの少しだけ、伊坂幸太郎さんのAXのラストがよぎったのは私だけなんでしょうね(笑)。