10月下旬に図書館より借りた本は3冊。先週は7カ月ぶりにコロナワクチンを接種したので接種当日は休肝日。やればできるじゃん(笑)、と言う事で11月1日、2日と2日連続で休肝日を実践。
さて、10月の下旬から読み始めた大沢在昌さんの「悪魔には悪魔を」11月1日に読了。この本は今年の4月に刊行され図書館ではなかなか借りる事が出来ませんでしたが、半年もすると人気が落ち着いたのか借りることが出来ました。大沢在昌さんの作品は昨年、「俺はエージェント」「帰去来」の2冊を読んでおります。
久しぶりに読むハードボイルド小説の旗手、紫綬褒章を受章された方の本です。
「悪魔には悪魔を」双子の兄弟、兄の良は優秀で薬学部を卒業後、麻薬取締局で麻薬Gメンとなります。弟の将は高校を中退し渡米、紆余曲折の末、米軍で兵士となります。20年ぶりに帰国した将は良の麻薬取締局の上司から潜入捜査の最中に失踪した兄を装って兄を探すことを頼まれます。
ヤクザ、新興勢力の麻薬販売組織、ベトナムの麻薬販売組織さらには警察そしてベトナムの警察などなどが入り混じり主人公、将の兄は無事見つけられるのか?
面白い小説であるとは思いましたが、最近読んでいるミステリー小説における登場人物の描写が秀逸というかエグ過ぎるので、そういった点でこの作品はもっと登場人物たちの心の葛藤や、残酷さが描かれていても良いのではと思いました。ハードボイルドとミステリーではジャンルが違うと言えばそれまでなのかもしれませんが、自分の好みではない印象を受けました。
いよいよ休肝日となった(笑)11月1日、「悪魔には悪魔を」を読了し手にした本は道尾秀介さんの「カラスの親指」です。10年前に阿部寛主演で映画化されています。久しぶりに読むコンゲーム小説です。
物語はと言うと、会社の同僚と賭博場に遊びに行った際に同僚の借金の連帯保証人となった主人公の「タケ」。同僚が飛んで(逃げて)しまい、その借金を肩代わりさせられる中、妻は病死、娘はアパートの火事で亡くしてしまい、気付けば詐欺師として生計を立てる事7年。そんなタケのアパートの鍵に細工をして鍵を付け替えさせようとする詐欺を働いた「テツ」は、詐欺がばれますがタケの居候となります。二人で詐欺を繰り返す生活が始まります。さらに、身寄りのない少女姉妹の妹「まひろ」がタケのアパートに転がり込み、その後姉の「やひろ」とやひろの彼氏がタケとテツのアパートに転がり込み5人の奇妙な共同生活が始まります。
タケの人生を奪い借金苦に陥れたヤクザの「ヒグチ」から執拗に追われ続けるタケは同居人たちと一世一代の詐欺を計画しヒグチへの復讐を図ります。
どんでん返しに次ぐどんでん返し、いやー読み手としては、騙され続けるのも快感ですね!(^^)!あっという間に翌日の休肝日2日目の11月2日には読了しておりました。当たり前ですが、この小説は絶対に最後から読んではいけません!
最後に感想を述べる本は、近藤史恵さんの「賢者はベンチで思索する」となります。近藤史恵さんの本は先月も「インフルエンス」(2017年刊行)を読んだばかりなのですが、こちらの本は15年前の2007年に刊行された本です。だからなのか、全く本のテイストが異なっております。
専門学校は卒業したが希望の服飾関係の仕事に就けず両親、浪人中の弟と一緒に住む自宅近くのファミレスでアルバイトをする主人公、七瀬久理子と彼女のアルバイト先のファミレスに頻繁にコーヒー一杯で3時間ほど粘る老人、国枝が謎解きをしていくミステリ―小説です。
第一章 ファミレスの老人は公園で賢者になる。第二章 ありがたくない神様。第三章 その人の背負ったもの、の3作品からなる短編集ですがそれぞれ話が繋がっています。人が死んだり(犬は死にますが)などおどろどろしい内容ではありません。第三章ですべての謎が解け、めでたしめでたし、緩いミステリー小説ですが私は嫌いじゃない作品でした。21歳フリーター久美子が事件を通して自分、家族、特に1歳年下の引きこもりとなりつつある2浪中の弟としっかり対話しそれぞれの人生を立て直すことが出来たと言うハッピーエンドも嫌いじゃないです(^^)/
と言う事で、休肝日は本を読む時間をたくさん作れるので何とか週に1日か2日は休肝日を設けて読書を続けて行きたいなと思う「読書の秋」でした。