還暦の向こう側の住人

平塚、大磯を散歩しているオヤジのブログです

読書感想 「乱読、本が本を呼ぶ?」 「ガンルージュ」と「欺す衆生」

欺す衆生

欺す衆生

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 友人に薦められて読んだ「東京輪舞」がとても面白かった。

miyabi1958.hatenablog.com

 と言うことで図書館で借りてきた本が月村了衛さんの「ガンルージュ」と「欺す衆生」の2冊です。

 「ガンルージュ」は思いっきり楽しめる痛快な本です。「東京輪舞」を読んだ後だと、完全なフィクション作品なので少々、拍子抜けするかもしれませんが、中学生の男の子が誘拐されてしまい、その担任の体育の女性教師とシングルマザーの二人が痛快なまでのアクションで男の子を奪回する作品です。詳細を書いてしまうとネタバレしちゃうので、宜しかったら読んでくださいと言うしかないのですが・・・・(笑)。

 月村さんと言えば警察ものの作品が多いと思います。この作品の背景にも実は警察の何かが隠れております。

 2冊目の本「欺す衆生」は、36年前でしょうか、テレビを見ていて大きな衝撃を受けた豊田商事会長の刺殺事件のシーンから物語は始まります。

 作品では横田商事と名前を変えてはいますが、その会社を追われた主人公、壱岐原野商法、和牛商法と次々と大規模な詐欺を行いながら富を得て行きます。悪事を行っていながら自己矛盾していることは分かっているのですが、詐欺の中でも彼なりの「正義」を貫こうとする姿勢が仲間との対立を生んでいきますし、詐欺師集団と化した組織の頂点に立つ壱岐への裏切り。そして壱岐からの報復が小説後半での面白さを加速していくように思いました。

 自らが「正義」とこだわっていた境界線を越えて反社会勢力と手を組んでしまう壱岐。騙し続けなければ自身が存続していけない渦の中でもがき続ける壱岐。好きか嫌いかは意見が分かれる作品だと思いますが、一気呵成に読み終えることが出来ました。

 友人絶賛の「機龍警察 白骨街道」も読んでみたいのですが、図書館では相当な人数の順番待ち。アマゾンでポチっとするしかないですね(笑)。