皆さんは、日本一過酷と言われてる山岳レースをご存じでしょうか。
私がそのレースを知ったのは2012年。マラソンを始めて2年目の頃です。たまたまNHKのスペシャル番組を録画して、ハマってしまいました。何度も見返しては結果が分かっているのに涙してしまう感動の番組でした。
その後、このレースは2年おきに開催されていることを知り、毎年夏になるとNHKで放送しないのか・・・・。妻も協力的で、番組をチェックしてくれていて私が忘れていると録画をしてくれていました。
残念ながら2014年は私が失念したのか、番組自体が無かったのかテレビで見ることは出来ませんでしたが2016年、2018年とBS放送で見ることが出来ましたし、しっかり録画もしております。そして本来であれば昨年が順番なのですがコロナの影響かとは思いますが今年の8月に精鋭のランナー30名が予選を経て参加されたのが「トランス・ジャパンアルプス・レース2020」です。
トランス・ジャパンアルプス・レースとは?の説明もないまま書き進めてしまいましたが、このレースはとんでもないレースです。
(写真はphotoACより)
富山湾から駿河湾、つまり日本海から太平洋までの415㎞を大縦断する山岳レースです。北、中央、南アルプス3000m級の山々を登ったり下ったり。フルマラソン10回、富士登山7回に相当する距離と標高を8日間以内で30もの関門を制限時間内で走破しなければならないレースです。参加資格は色々とありますが、フルマラソンは3時間20分以内、70㎞以上のトレイルランニングのレース経験、2000m級の山で10泊以上のビバーク経験が必要などなど。その資格が認められてもさらにふるい分けがあり、30名がその参加枠。しかもこれだけ過酷なレースにもかかわらず、賞品、賞金は一切ありません。
過去の絶対王者、静岡の山岳救助隊に勤務する望月将悟さんは5日以内で走破すると言う快挙を達成しています。私が初めて目にした2012年大会でもその強さは他者を寄せ付けませんでした。
夜中でも寝ずに走ったり、睡眠できても1日、2~3時間程度。その結果睡眠不足による幻覚、レース前に何度も試走して調べたコースでも道を見誤ったり、過酷なレースが故体調を崩し、食事が食べられず無念のリタイア。さらに悪天候に襲われ暴風雨の中、稜線では吹き飛ばされそうになり山小屋へ引き返す羽目になったりと。ラストの駿河湾までの平地の30㎞を超えるロードでは灼熱の地獄。足のまめもつぶれまくり激痛と戦いながらゴールを目指します。
平均年齢は40歳を超え、なかには50歳代、60歳に手が届きそうな参加者もおり何が彼らをこのレースに突き動かすのか。「自分の限界を超えた先に何が見えるのか!」そんな一心で何度も挑戦する選手もいます。
そんなとてつもないレースがすでに今年も8月に開催されており、先週の土曜日(10/16 PM19:30~21:00)NHK,BSで放送されました。台風直撃で大会2日目でまさかの中止となってしまった結末は大変残念ですが、雄大なアルプスの景色に様々な思いでレースに臨む参加者の人となりの紹介もあり、毎度の事ですが上質なドキュメンタリー番組だと思います。(カメラマンや大会スタッフのご苦労も本当に大変なことだと思います)
我が家のビデオデッキの調子が悪く最後の10分間、録画できていなかったのでNHKオンデマンドで220円払って感動のドラマを見ました。次回開催が2022年、つまり来年の夏にまた開催されるので1年後を楽しみに待ちたいと思います!
ご興味ある方は過去のレースはDVDや書籍にもなっていますし、私が初めて見た2012年の大会はNHKオンデマンドで見ることができますのご覧くださいネ。(きっと虜になると思います!)