還暦の向こう側の住人

平塚、大磯を散歩しているオヤジのブログです

読書感想 4月に購入した本やっと読了 「塞王の盾」「機龍警察 白骨街道」

 読書量が激減している4月、図書館では人気の本はなかなか順番が回ってこない。と言うことで、年金生活にもかかわらずアマゾンでポチっとした3冊の本、ようやく読了。

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 あっという間に読み終えた「風のことは風に問え」に引き続き手に取ったのが今年の直木賞受賞作、「塞王の楯」。

 500ページを超える大作です。織田信長豊臣秀吉そして徳川家康石田三成と交戦中の3つの時代に生きた主人公、匡介(きょうすけ)。織田軍の攻撃を受け、不運にも家族を失いますが穴太衆(あのうしゅう)の塞王と呼ばれる石工の頭領、飛田源斎に助けられ、石の声が聞こえるその才能を買われ源斎の下、修業を重ねていきます。

 声が掛かれば政局に関わらず依頼してきた大名のために、交戦中でも命を懸けて城壁の修理を行いその戦いを勝利に導きます。また平時であれば難攻不落の城壁を作ることが穴太衆の仕事です。

 一方、鉾となるのは鉄砲や大筒を作る国友衆。クライマックスは匡介の最大のライバル国友衆の彦九郎が加勢する石田三成の軍勢と琵琶湖に浮かぶ大津城を舞台とし彦九郎の鉾である大筒が天守閣を撃破するのか大津城に籠城する京極家の武士や村人たちと一緒になって匡介達石工が石の壁で守り切るのか!?

 職人たちが主役の戦国スペクタクルです。

 5月に入ってようやく読了したのが「機龍警察白骨街道」です。

 「面白い本です」と知人の言葉を鵜呑みにしてしまいしたが、いきなりこの本を読むのは予備知識がないと理解が追い付かないかもしれません。月村さんの機龍警察は2011年よりシリーズ刊行されており白骨街道で7冊目となります。

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 機甲兵装と言う言葉がキーワードなのですが、これは軍用有人兵器が普及した近未来を舞台としているSFなんですね。予備知識なしで読んでいると機甲兵装と言うこの特殊な武器やレーダーなどが付いたとてつもないハイテクな戦闘服は何だ?と言う感じなんですが、ミャンマーで戦う3人の警視庁特捜部突入班が戦闘する描写を読んでいるうちに徐々にその雰囲気は手に汗握る感じで迫ってきます。

 さて話はと言うと二本立てで進んでいきます。日本では警視庁、警察庁内閣官房に上州グループと言う大企業が入り混じり国を巻き込む汚職事件を隠ぺいするのか、はたまた暴けるのか?月村さんお得意の警察内部の抗争を中心に正義なき正論を振り回す巨大組織に正義ある小さな組織が戦いを挑みます。

 一方、国家規模の重要機密である最新の機甲兵装の技術を売り飛ばそうとして国際指名手配された君島の身柄を引き取りに向かった警視庁特捜部突入班3名は、かつて多くの日本軍が逃走中に餓死し、その白骨が今なお残っている白骨街道と呼ばれたミャンマーの紛争地帯でミャンマー警察の警察官と協力しながらミャンマーの国軍、ゲリラ様々な敵と壮絶な戦いを繰り広げていきます。民族浄化を理由に国軍により焼き尽くされたり人身売買のために監禁されている施設がある村々のある紛争地帯から脱出できるのか?幾重にも仕組まれた罠を潜り抜け警視庁特捜部突入班3名は国際指名手配犯、君島を日本に連れ戻せるのか?沖津特捜部長の秘策が唸ります!!

 随所で日本、ミャンマーと場面転換されどんどん引き込まれて行く事は必至ではないでしょうか(笑)。