旧吉田邸に住み着いてしまった野生のメスの小鹿。勝手に「シゲ子」と名前を付けてブログで紹介をさせて頂きました。最後に会ったのは4月7日。
そしてシゲ子に初めて会ったのはたったの2か月前の2月18日でした。
シゲ子は会うたびに人懐っこくなってどんどん近くに寄ってきては我々に何かをするわけもなく至近距離で芝生や木の新芽などを食べていました。
それが5日前の4月15日の夕方、旧吉田邸を出てしまい目の前の国道一号線で車にはねられて死んでしまったとカナロコのニュースで知ることとなりました。
地元の仲間が7,000名近くメンバーとなっているフェイスブックの「平塚が大好き」と言うグループでも何名かの方がシゲ子のことは目撃されており、一人の方は国道1号線の歩道にまでシゲ子が出ている事を目撃されていました。その時は背中にカラスを乗せていたそうです!
親鹿を電車に轢かれ、以来半年以上、たった一匹で旧吉田邸の草などを食べて命を繋ぎながら近所の住民の方に可愛がれていたシゲ子ですが、自動車の怖さを学習することもなく交通事故で逝ってしまいました。
野生動物が多く現れる地域では道路標識まで設置していますが、野生動物と人間社会の境界領域がどんどん曖昧になっている現在、両者の共存はなかなか困難なことである事を改めて知らされました。そして何よりも我々が決めたルールは鹿は害獣。農業従事者にとっては死活問題であることは重々承知できます。
野生動物と人間社会を取り巻く関係に私の都合の良い感傷を持ち込んで何か言うつもりはありませんが、あの愛らしい顔をもう見られない事は残念です。死なない生物はいません。生きている時間が長いか短いかの違いだけと言う人もいます。
旧吉田邸に行って、シゲ子の冥福を祈りたいと思います。