還暦の向こう側の住人

平塚、大磯を散歩しているオヤジのブログです

読書感想「乱読、本が本を呼ぶ?」 コンゲーム小説3冊読みました

 騙し騙され、コンゲーム小説面白いですよね。

 久しぶりにコンゲーム小説を読もうと思い、色々と探すことに。

 先ずは、「百万ドルをとり返せ!」

 コンゲームの古典と呼ばれる本だそうです。成り上がりの大金持ちが巧妙に仕組んだ嘘の石油会社の株の儲け話に騙され財産を失った大学教授ほか3人の被害者。彼らが練りに練った計画で仕返しをする話。その仕返しがすべてうまく行きすぎなのが盛り上がりに欠ける印象でしたが、ラストはまさか大金持ちの娘まで巻き込んでいたとは!?

 次に読んだ本が「T.R.Y.

 映画化もされた小説です。1999年、横溝正史賞を受賞した作品だそうですが、タイトル、作者のペンネームを変えて単行本化されたそうです。2021年の今読んでも、全く色あせていないと思います。明治時代の中国と日本陸軍を舞台としたコンゲーム。日本人詐欺師、伊沢が収監されている刑務所にまで武器の略奪を依頼に来た中国の革命家、関。その略奪先は日本陸軍。壮大なスケール、コンゲームならではの二転三転する騙し合い、十分堪能させていただきました。

 3冊目は「フェイク」

  銀座の夜の世界で大卒後、新米のボーイとして働く主人公。店の売り上げを上げるため、やり手のママと非合法な仕事に手を染め始める。酒屋の二代目のバカ息子、ギャンブル好きの親友陽一もこの非合法な仕事に仲間入り。陽一は非合法な仕事で設けたその金をどんどんノミ屋を通じてのギャンブル三昧。悪事は長続きしなかったが、ギャンブルを止められない陽一の借金は積もりに積もって命の危険にまで晒されます。

 借金返済のため製薬会社を相手にした、一発逆転の競輪場を舞台とした一石二鳥のトリックは、ギャンブルを知っている人ならきっと面白いと思うのでは。製薬会社に与えた損害と騙し取ったお金のバランスが悪すぎるのは、著者の意図なんでしょう。