ブクログで読書の管理や、面白そうな本の紹介記事あるいは他の方の読書感想を読んだりしております。
そこで奥田英朗さんの「イン・ザ・プール」が紹介されておりました。
精神科が舞台となる小説、どんな展開が待っているの!?
伊良部総合病院の精神科医、伊良部一郎にそれぞれの悩みを抱えた患者が訪れることで物語が始まる、短編集。
奇想天外、捧腹絶倒、支離滅裂。とにかくバカバカしいですが、患者は自分の病を治したい一心で総合病院のバカ息子と思われるドクター伊良部に藁をもすがる思いで、すがります。しかし、ドクター伊良部、藁ほども役に立ちません。
患者が自分の病を治そう治そうとすればするほど、ドクター伊良部の時間外診療(笑)は悪乗りの際限がありません。そこがバカバカしすぎて面白いのなんの!マンガを読んでいるかの如く、すらすらとページが進んでいき、あっという間に読了しました。一編、一編の短編を読み終わる度に得られる安堵感と言うかホッコリした気分が、次の短編はどんな展開・・・・・。
この期待感をもう一度味わいたいと思い、次に借りた本が「空中ブランコ」。
期待に違わず、笑わせていただきました!
様々な職業の患者が、自分の仕事に自信を持っている、だから頑張り続ける。しかし、その頑張り方にボタンの掛け違いが生じていることに気付かず、その狭間に待ち受けている心の病に襲われてしまう。
「いらっしゃーい」精神科医、ドクター伊良部の診察室を訪れたら最後、患者たちはドクター伊良部の時間外診療にぶんぶん振り回されます。ドクター伊良部に緻密な治療方法や方針などありません。しかし、気が付けば、患者は自分の「青い鳥」を見つけて治癒されているのです。読者はそこでホッコリするのではないでしょうか。
次は「町長選挙」を読まないといけませんね。