還暦の向こう側の住人

平塚、大磯を散歩しているオヤジのブログです

読書感想 「乱読、本が本を呼ぶ?」 悪魔の食べ合わせレシピと「うまい!」の科学

  今回紹介します本は、美味しさを科学する本、2冊です。悪魔の食べ合わせレシピは本と言うよりは、こんな食べ合わせがAISSY株式会社(慶応大学のベンチャーです)の「味覚センサーレオ」で導き出された普通では考えられないレシピがたくさん紹介されています。

aissy.co.jp

 物は試しに是非、ご自身でも味わっていただけたらと思います。味覚センサーのデータをAIで解析して、様々な食べ合わせが見出されています。バナナ+シラスとかプリン+納豆、プリン+カップ麺のみそ味あるいはコーヒー+炭酸でビール味などなど、私も試して見ましたが意外に美味しい(^^)/

 今年、退職した最後の会社で実は私も美味しさを科学する仕事をしていました。その会社では味覚センサーではなく、食べ物を食べているときに鼻に抜ける香り(レトロネーザルアロマ)に注目して装置開発を行い販売していました。

 食品会社における食品開発は、舌の味蕾で感じる甘味、酸味、塩味、旨味、辛味をそれぞれの味を測定できる味覚センサーを用い、その測定結果のバランスを見ながら美味しさの設計をしていると思います。

 一方、食品を食べているときに鼻を抜ける香り(レトロネーザルアロマ)の感じ方は、味覚センサーの比ではないほど数多くの種類の香りの成分を何百と言う鼻の細胞が捉えて感じています。(鼻をつまんで食事をしたら味がしないと感じるのがその証拠です)

 仕事をしていた時は、当然仕事への思い入れもありましたが自分たちの手法の方がいずれ味覚センサーを超えると思っていました。しかし、いとも簡単に(実際は味覚センサーの結果を解析するAIの技術が素晴らしいからだと思いますが)「味覚センサーレオ」が作り出す悪魔のレシピが美味しいことには驚かされました。

 そして、もう1冊は味香り戦略研究所、主席研究員の高橋さんが執筆された「うまいの!」科学。 

www.mikaku.jp

 上述しました退職直前の会社で、高橋さんとは面識を持つことが出来まして、高橋さんとのメールをやり取りした際にメールのフッターにご自身の本の紹介があったので購入させていただきました。こちらの本も、味覚センサーのデータを用いて、皆さんおなじみのお菓子やインスタント麺、牛丼チェーン、コーラ、ビールなどなど有名な商品の味の比較をしています。

 美味しさは、普遍的なものではなく、個人の嗜好によってその評価は大きく異なるかと思います。では、何故そのように感じるのかこの本では科学的に説明をしてくれています。美味しければそれでよい、私はこの味が好きなんだで議論を終わりにしても当然良いとは思いますが、この本を読んで、ちょっとうんちくを傾けてもよいのではないでしょうか。

 高橋さんの本で取り上げられていた、コーラ2社を自社開発の装置で測定した香り立ちのデータをお客様に説明するときに、名前を言えば多くの方が美味しいと言うのがA社、そして目隠しで飲んでもらうと美味しいと言うのがB社なんですよね(^_-)-☆とこの本の受け売りを測定したデータの説明をする時の「枕のセールストークとして利用させていただいておりました。