山口周さんを知ったのは昨年の6月、別所哲也さんがパーソナリティを務めるFMラジオ、J-WAVEでした。ニュータイプの時代と言う本を早速購入。以来twitterもフォローさせていただき、今年に入ってビジネスの未来を読むことに。
ビジネスの未来では、際限のない、経済の成長戦略に血道を上げる時代はすでに終わっている。GDPの数字に踊らされる時代は終焉を迎え、高原と呼ばれる成長無き新時代に突入している。経済成長を求めない、求められない高原にいる我々は、ではどんな世界を築いていくのか・・・。デンマークのように税金を高くして、働いてもその大半を国に税金として納めるが、医療、福祉、あるいは勉学の機会が平等に与えられる世界を目指すのか。ベーシックインカムの底上げにより弱者を救う考えが日本を含めて受け入れられるのか。働く=経済成長、大量生産、大量消費から脱成長の中での仕事のやりがいや、そんな世界での幸福とは何か・・・・。山口さんの言わんとするとする事は分かるような気がしますが、何か消化不良。
そんな時に出会ったのが斎藤幸平著、人新生の「資本論」です。
この本はのっけからSDGsを「大衆のアヘン」と一刀両断。SDGsはとっても良い考え方だと思っていた私には、いきなり冷水をぶっかけられたような気分。これ以上の気候変動を止めるにはSDGsなどと言う甘ちょろい施策でお茶を濁している場合では地球を、人類を救うことはできないと。
本のタイトルの一部、人新生(ヒトシンセイ)、人間たちの活動の痕跡が地球の表層を覆いつくした年代と言う意味だそうです。1%の富裕層の際限のない富の追求の結果、地球は不可逆な気候変動の道へ加速され、誰も住めない星になってしまう、待ったなしの状況。今、我々が直面している状況は、ビジネスの未来で山口さんが言う高原などと言うような状況ではないのでは。すでに坂を転げ始めていることは毎年の異常気象で皆が気付いている。1880年代に資本論を執筆した後のマルクスの晩年の彼のノートを詳細に解析、研究されたMEGAによると、脱成長と言う真逆の未来を彼が予言していたと。人類の滅亡にブレーキをかけるには3.5%の人々が行動を起こせばまだ間に合うそうだ。自分に何ができるか考え、3.5%の人たちによる、市民活動による大きな社会変革がすでにバルセロナなどをはじめとして起きている。脱成長し、2030年の脱炭素目標を達成できなければ2050年の脱炭素目標は達成できるはずもなく、グローバルサウスに住む人たちが苦しんでいることは対岸の火事どころではなく、津波の波がしらが見えているのに避難しない、避難できないことのないようにしたい。